シャイなあなた
おじいちゃんは私が母の実家に顔を出しても出さなくても怒ります。私がひさしぶりに顔をだすとこんな調子。
額にしわをよせて、きびしいしかめっ面。
「なあにをしてたんだ?ちっとも本家によらないで」
私はすかさずとぼけます。
「あれ?このまえきたよ、ほら、一週間くらいまえ」
「ん?」
「きたよ、ほらおぼえてない?」
「そうかあ?」
おじいちゃんはあれ、わしの勘ちがいだったかなあ、というように呆けた顔をします。
「そうだよ、おじいちゃん」
もちろん、来ていません。私はおじいちゃんに見られないように、親戚のおばさんのほうをむいて笑います。聞いていたおばさんもにやにや。
高校野球に目をうばわれているおじいちゃんには、ほんとはそういうのはどうでもいいんです。そっぽをむいて言ったおじいちゃん。
「なんだ、そうか」
「おじいちゃん、ヨーグルトのふた、またおばさんにいちいちとってもらってるんだって?だめだよ、自分でできることは自分でやんないと」
「へっ」
わかったよとも、うるさいよともとれるような、ひとを食った笑いをするおじいちゃん。
今日の気分はAdele「Someone Like You」。
Old friend, why are you so shy?(笑)
どうしてそうシャイになるの